
こんにちは!
Golden Hearts Publicationsの梅本です。
週2-3回、Golden Hearts Publications作品のご紹介をしている「今日の1曲」。
参考音源を聴くだけでも良いので、少しだけお時間をください!
今日は會田瑞樹さん編曲のヴィブラフォンのための作品「琵琶湖周航の歌」をご紹介します。
■原題または洋題 :A Circumnavigation of "Biwako" Lake -Ode to the Memory of my Grandfather-
■作曲者 :吉田千秋(Chiaki Yoshida)
■編曲者:會田瑞樹(Mizuki Aita)
■演奏時間 :約4分00秒
■出版社 :Golden Hearts Publications
■参考音源:You Tube
■楽曲について
作品について
東洋史学者であると同時に、僕の祖父である寺田隆信(1931-2014)は音楽が大好きだった。一緒に旅行をしたり美味しいものを食べに行ったり、そんな身近な祖父の偉大さは亡くなった後に気がついたように思う。代表作『物語中国の歴史』(中公新書)は中国の通史を学ぶ上でも今尚多くの人に読み継がれている。
祖父はどちらかといえば、僕に”学問”をしてほしいと思い続けていた。僕が”楽問”の道に進むと決めたと緊張しながら伝えた時、なんとも残念そうな表情を浮かべたことをよく覚えている。それでも陰ながら応援をしてくれたことへの感謝とその思い出が結びつく音楽。それが《琵琶湖周航の歌》であった。三高ボート部の歌として誕生し、やがて学生歌へと継承されていったこの音楽を、祖父はお酒が入り上機嫌になるとかならず歌い出すのだった。まだ幼かった頃の僕にはその歌詞の意味もわからなかったが、祖父にとって心から思い入れのある一曲であることが記憶に刻み込まれていた。思い出を手繰り寄せるようにヴィブラフォンで爪弾き、2014年秋のヴィブラフォンリサイタルで初披露以降、各所で演奏を重ねてきた。
2019年冬に、梅本周平さんより出版のご依頼をいただいた。自分だけが演奏するものと思い一切楽譜にしていなかったので、改めて自分の脳内から一音一音、楽譜にしていく作業は実に興味深かった。その点では浄書の小國晃一郎さんの手を大いに煩わせることになってしまったことをお詫びしたい。そして、お二人のご尽力に心から感謝を申し上げたい。
演奏にあたって
しみじみとしたテーマは奏者に委ねられる。この歌に込められた様々な意味や、風景を思って演奏してほしい。心に感じるままに演奏することの大切さを楽譜にできたことを心から嬉しく思う。各々の変奏は僕自身の音楽観もよく出ていると感じる。音の余韻を聞くこと、そして鮮やかに移り変わる和声の魅力を引き出してくださることを願っている。
祖父がこの楽譜を見たら、「わしも楽譜に名前が書かれるとは思わんかったな。」と、照れ笑いを浮かべるような気がしている。
(會田瑞樹)
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會田瑞樹氏が祖父の寺田隆信氏との想い出を手繰り寄せるようにリサイタルで演奏を重ねてきたパーソナルな作品です。解説を読み、それぞれが感じたことをそのまま音にしていただければと思います。
商品ページはこちら。
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▼編曲者紹介:
會田瑞樹(Mizuki Aita)
打楽器奏者。1988年宮城県仙台市生まれ。幼少よりヴァイオリンを照井勢子氏に師事。
12歳で打楽器を志し、佐々木祥、星律子、有賀誠門、藤本隆文の各氏に師事し基礎を学ぶ。
宮城県仙台第二高等学校を経て武蔵野音楽大学において吉原すみれ、神谷百子の両氏に師事。2014年武蔵野音楽大学大学院修士課程修了。
2010年日本現代音楽協会主催第9回現代音楽演奏コンクール”競楽?\”において大会最年少ファイナリストとしてデビュー、第二位を受賞。 「憑依型の演奏(西耕一氏)」と評されるなど話題を集めた。
2011年6月にはサントリーホール主催レインボウ21「打楽器音楽、その創造と継承」公演において総合プロデューサーと演奏者の二役を担い、行動する演奏家としての姿勢を示した。その後、會田のそれらの姿勢を見守ってきた打楽器奏者・高橋美智子氏より、長年女史が使い続けてきた
Deagan 社ヴィブラフォンを譲り受ける。それをきっかけにヴィブラフォンの魅力の更なる開拓を求めて 2012 年ヴィブラフォンソロリサイタルを初開催。
以降、打楽器・ヴィブラフォンのための新たな魅力の追求を活動のテーマとして、 これまでに湯浅譲二、間宮芳生、末吉保雄、水野修孝といった巨匠世代から、権代敦彦、山内雅弘、国枝春恵、木下正道ら中堅世代、薮田翔一、白藤淳一、坂田直樹、佐原詩音をはじめとする若手世代と幅広く協働して次々と自らのリサイタルで新作初演を行い、その数は現在200作品を超える。
加えて、演奏家としての独自の目線からの作曲活動も近年活発に行い、2019年には日本作曲家協議会主催:第十回JFC作曲賞に入選を果たすなど、その活躍の幅を広げている。