吹奏楽、室内楽の楽譜出版社Golden Hearts Publicationsのブログ

吹奏楽、室内楽の楽譜出版社Golden Hearts Publications(ゴールデン・ハーツ・パブリケーションズ)のブログです。

Golden Hearts Publicationsの契約についての裏話とか

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こんにちは!

Golden Hearts Publicationsの梅本です。

ブログらしいブログもまた久々になってしまいました。

このブログは別に裏話ブログでもないので裏話を書かないといけないわけでもないのですが、たまにはね。

 

Golden Hearts Publicationsの作品、2020/6/17時点で175アイテムになりました。

だいぶ増えましたね。商品登録や販売準備については始めた頃が一番忙しかったですし、その後も「何が必要で何が必要でないか」みたいなことをずっと考え続けて改善を続けているので今がヒマってわけでもないのですが、まあこれだけの作品を預けて頂いてるわけで、それはとてもありがたいことなのです。

 

当初は他の業者さんから「なんでそんなにたくさん楽譜が集まるんですか」みたいなことを聞かれたりもしたのですが、コネらしいコネとか友達関係みたいなのとか特に使わなかったので、(昔からコネがあるような日本の作家さんは他の出版社さんから出される事が多いでしょうし、一応連絡はしたかもしれないけどほとんど反応なかった気がする)最初はディートリヒ・ヴァンアケリェンからの売り込みです。「自費出版している楽譜を日本で売ってくれ」っていう。出版ではなくて印刷代行という契約です。

https://www.goldenheartspublications.com/?mode=grp&gid=1631140&sort=n

その後、ディートリヒだけだと作品が足りないので(当時2作品しかなかった)、同じように海外で自費出版をしている作曲家を調べまくって「この作品扱いたいな」というのをリストにして、一斉に招待しました。

「梅本ってのは何者で、ONSAってのは何を目的としていて、その中でGolden Hearts Publicationsは何をするのか」という概要書を添付してメールを送りまくるという、そんな感じです。印刷代行させてくれ、という話をこちらから提案した形。

なので最初は海外の作曲家しかいませんでした。

 

その中で、香港のマンチン・ドナルド・ユーさんという方が、世界各地の出版社から自作を出版するという戦略を取っていて、「印刷代行じゃなくて出版してくれいや」と言われたのがおそらく最初の出版契約ですね。

最近は作曲をストップしているそうです。長期休暇なのか他の仕事に時間を割いているのかは不明ですけど。

https://www.goldenheartspublications.com/?mode=grp&gid=1697982&sort=n

 

日本の作家さんに声をかけ始めたのはその後ですかね。実際にお会いしたことはないけど交流があった木原塁さんだったり、逆にリアルの場で知り合って何度か会ううちに楽譜を出版することになって今Golden Hearts Publicationsの一番人気の作曲家になっている正門研一さんもそうですね。

https://www.goldenheartspublications.com/?mode=grp&gid=1790473&sort=n

 

https://www.goldenheartspublications.com/?mode=grp&gid=1987793&sort=n

 

契約の形はそんな感じで2種類あって、印刷代行(あくまでも代行しているだけ)で予め作品ごとに決められた固定費のロイヤリティを、売れた分だけ支払うパターン(この曲は25ユーロとかそういうの)と、Golden Hearts Publications(ONSA)からの出版という形にして、ロイヤリティは%で支払うパターンがあります。

 

とはいえ一般的に想像される「出版社」とJASRACが定める「出版者」は別物で、僕は法人ではないのでJASRACと「出版者」として契約することは出来ず、好き放題印刷することも出来ないので、印刷するたびにJASRACに申請をして、許諾番号をもらって、それを印字したものを印刷所に投げています。

 

日本の作家さんと契約を始めた頃にはすでに海外向けに販売を行うグローバルストアの構想はなんとなくありましたが、まだ固まっていなかったので海外の出版社に逆に印刷代行を頼みまくるというスタイルでした(これはうまくいきませんでしたが今ちょっとそんな話がまた出てきています)。今はグローバルストア経由で海外向けに販売しています。

 

あと当時(今もかな)巷では邦人作曲家の奪い合いみたいな雰囲気があって、若い人を青田買いしたり、ベテランを囲ったり、まあなかなか仁義なき戦いが繰り広げられていたので、そこには参入しないようにしようと思っていました。

もともと人ではなくて作品で取り扱いを決めていたので、最初に海外の人に声をかけたのと同じで、「若手邦人作曲家ァ!」とか「コンクールで人気の作曲家ァ!」とかそういうある種のブランドみたいなのには興味なかったんですよね。年齢も国籍も正直どうでもいいです。何歳でもどこの国の人でも作品が良ければそれで良い、「コンクール向きの作品かどうか」なんてさらに興味がない、というのが僕のスタンスです。実際に会ったことなくても良いし、友達じゃなくてもいいし(気分良くやれれば)、バンクシーで良いんですよ。演奏会で演奏してもらえればそれで良いんです。僕の仕事は世界のどこかで誰かに聴いてもらえる機会を創出するようにプロモーションを頑張るだけです。

なので「国内大手から出したいわぁ」みたいな雰囲気がある人にはなるべく近づかないように・・・みたいなところもありましたね。君の好きにしたまえよ、売り込みたまえよ、みたいなところはあります。

 

なので日本の作家さんも数人おられますが、誰彼構わず声をかけているわけでもなく、「これはあの辺の会社あたりが飛びつくだろうな」というところは放っておいています。すべてご縁ですね。うちから出版することそれ自体(または他のどの出版社から出るか)は業界全体的に見た場合にめちゃくちゃ些末なことなので、別にどこから出てもいいんです。世界的に広まればいいです。

 

日本の作品に関しては、目指しているのはマーケットを国内鎖国江戸時代状態から世界に広げることなので、まあ今のところ出島ですよねうちは・・・(海外の作品を日本に売って、日本の作品を海外に売って)

国内外問わず、まだ僕が知らない作曲家、知らない作品というのは山程あって、これからどんな出会いやご縁があるのか楽しみで仕方がないです。

 

Golden Hearts Publicationsでは作品募集もしています。要は売り込みしていいよっていうことです。小國晃一郎さんは作品募集からの付き合いですね。

https://www.goldenheartspublications.com/?mode=grp&gid=2134650&sort=n

 

売り込み、という意味ではイタリアの作家陣はヴィトと契約したところから始まったイタリアンコネクションの人たちですね。みなさん続々と「この曲どう?」ってメールが来ます。

 

Golden Hearts Publicationsから出版された作品は、今のところ5ストアで販売されます。

・Golden Hearts Publications Online Store(日本のストア)
・WBP Plus!Yahoo!ショッピング店(GHPと同じくONSAの運営)
・WBP Plus!楽天市場店(GHPと同じくONSAの運営)
・Golden Hearts Publications Global Store(GHPの海外向けのストア)
・Pia Score(PDFダウンロードストア、ONSAとは違う会社さんです)

これに加えて、今海外の某社とやり取りをしていて、日本人の作品を扱いたいと言われているので、話が決まれば印刷版もGlobal Storeだけじゃなくて海外に拠点がある海外の会社を通じて世界展開されるでしょうし、そういった会社が増えていくかもしれません。

日本国内でもまだ手を出していないモールがありますからね。Amazonとか。

 

「僕私ここにいます!作品聴いて下さい!」という人は下記ページから売り込みしてきてください。素敵な作品に出会うのはとても楽しいです。

 

作品募集!Golden Hearts Publicationsでの作品出版や販売委託についてのご案内 - 吹奏楽楽譜・アンサンブル楽譜の出版・販売|Golden Hearts Publications

 

なお成立過程が成立過程なので、うちは印鑑不要です。デジタルサインでOKにしてます。契約書はPDFやり取りをしておしまいです。(PDFじゃなくてもいいのかもしれないけどね)

 

以上、今日は契約関係の(話せる範囲内での)お話をちょこっとだけしました。

ではまた!