こんにちは!
Golden Hearts Publicationsの梅本です。
「今日の1曲」として、週2-3回、Golden Hearts Publications作品のご紹介をしています。
参考音源を聴くだけでも良いので、少しだけお時間をください!
今日はイタリアの作曲家、コジモ・ボンバルディエーリの吹奏楽作品「戦勝公に捧ぐ」をご紹介します。
■原題または洋題:Al Duca della Vittoria (To the Duke of Victory)
■作曲者:コジモ・ボンバルディエーリ(Cosimo Bombardieri)
■演奏時間:約5分20秒
■出版社:Golden Hearts Publications
第一次世界大戦中(1915-1918)、イタリア軍を率いてオーストリアに勝利し、「戦勝公」の異名をとったイタリア陸軍大将アルマンド・ディアズ(ナポリ、1861年12月5日-ローマ、1928年2月29日)の偉業を描いた作品。
第一次世界大戦が勃発すると、ディアズは第39歩兵師団の指揮官となる。1915年のイソンゾの戦いに参加し、その勇気と指導力で頭角を現す。1916年、陸軍アンコーナ軍団の司令官に任命される。
1917年11月、カポレットの敗戦後、ディアズはイタリア軍の参謀総長に任命される。彼の指揮の下、イタリア軍は再編成され、失地回復に成功する。1918年、ディアズはヴィットリオ・ヴェネトの戦いでイタリア軍を勝利に導き、イタリアは第一次世界大戦を終結させる。
アルマンド・ディアズは、イタリア史上最も偉大な将軍の一人とみなされている。
楽曲について:
この作品は第一次世界大戦を音楽で描いたもので、第1部では戦場の混乱と暴力が描かれる。第2部は連合軍の勝利と終戦を描く。第3部は戦争後の平和と希望を描いている。
作品は3部に分かれている: A-B-A1
A) 第1部:
アラ・カリカ q=140
トランペット・コールとドラム・ロールが戦場を特徴づける。第一次世界大戦中に流行した軍楽のさまざまな冒頭主題が交互に現れ、曲全体の統一的なアイデアとなる。賑やかな背景、オーケストラのテクスチャーがこのエピソードを彩る。
アレグロ・ノン・アッサイq=127(敵陣)
1797年にヨーゼフ・ハイドンによって作曲されたオーストリア=ハンガリー帝国の国歌である。
B) 第2部:
アレグロ・コン・スピリト q=132
異なる楽器群の間を行き来する音階的なテクスチュアの下で、先に提示された要素が展開される。
ソレンヌ q=78
オーストリア=ハンガリー帝国の降伏が戦争の終結を告げる。
A1) 第3部:
マルツィアーレ q=120
「ピアヴェの伝説」の象徴的なテーマが、戦争の終結の主要な要素となる。カノン(兵士たち)は、さまざまな声部で統一された歌を口ずさみ、小さなトランペットの呼びかけが過去を思い起こさせる。
(コジモ・ボンバルディエーリ)
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戦争を描いた作品ではありますが戦争そのものを賛美した作品ではなく、伝えたいテーマは「平和」なのではないかなと思います。戦争が起きているこのご時世、戦争とは何なのか、勝利とは何なのか、そういったことを考えるきっかけにもなればいいかなと思います。吹奏楽コンクールでも演奏会でも好きなシチュエーションで演奏してみてください!
商品ページはこちら。
【吹奏楽 楽譜】戦勝公に捧ぐ 作曲:コジモ・ボンバルディエーリ
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▼作曲者紹介:
コジモ・ボンバルディエーリ(Cosimo Bombardieri):
コジモ・ボンバルディエーリは、青少年オーケストラ「A.セルセール」の創設者兼首席指揮者で、将来有望な若手指揮者と目されています。1700年代から現在に至るレパートリーを持ち、10年にわたりイタリア国内外で数多くのコンサートを開催。自身のオーケストラとともに、南イタリアで著名なアーティストと100回以上のコンサートを行い、若手指揮者として称賛を浴びています。 多くの管弦楽団などと共演し、作曲コンクールの芸術監督なども務めました。指揮者としての活動に加え、作曲家としての活動も交互に行い、国際的な舞台での受賞や公演で多くの成功を収めています。現在は音楽高校作曲・分析科教授、「カモニカ谷の賛歌(Hymn of Camonica Valley)」作曲コンクール芸術監督、ボルゴ・ウィンド・オーケストラ首席指揮者(イタリア)、ブレシアANBIMA吹奏楽団音楽監督(イタリア)も務めています。
今日は以上です!
次回の「今日の1曲」をお楽しみに!