
こんにちは!
Golden Hearts Publicationsの梅本です。
今日は2024年11月21日発行のメルマガのバックナンバー。
「Golden Hearts Publicationsの海外作曲家の話」です。
ぜひご一読ください。
-------
先週はGolden Hearts Publicationsが販売代行をしている海外の自費出版作曲家のお話をしましたが、今日はGolden Hearts Publicationsから楽譜を出版している海外作曲家のお話をします。
Golden Hearts Publicationsを始めたばかりのときは「出版する」ということは特に想定していなかったのですが、初回の声掛けの中で、一人だけ「印刷代行じゃなくてGolden Hearts Publicationsから出版してほしい」と言ってきた作曲家がいました。
マンチン・ドナルド・ユー(余文正:Man-Ching Donald Yu)です。
Golden Hearts Publicationsの前に始めていたWind Band Pressというサイトのインタビューでも彼は「私の音楽をさまざまな国籍の聴衆に届けるためには、国際化が非常に重要」と述べていて、それまでにも様々な出版社から作品を出版していました。
インタビューはこちら
コロナ以降は作曲はあまりしておらずピアニストとしてやっているようですが、彼は「管楽器の作品はまずGolden Hearts Publicationsに預けよう」と考えたようです。
こちらも色々とわからないこともあったので調べながらやりましたが、これが自社出版の最初の案件でした。
その後は出版に関しては日本人作曲家の作品が多かったように思いますが、海外向けストアを開設してしばらくしてから、海外向けストアにイタリアからコンタクトがありました。
最初はヴィト・ラ・パグリア。
プロのサクソフォーン奏者で教師なのですが編曲もしているとのことで、それを出版してくれないかというようなお話でした。
ヴィト・ラ・パグリアの作品はこちら。
彼の作品にOKを出した直後、彼のアンサンブルの友人でもあるトマゾ・ミランダ、ミケーレ・カラメラというサクソフォーン奏者からも連絡がありました。
カラメラ氏の作品はレイアウト上の問題が見つかったのでいまは販売停止しており、彼からの修正待ちですが、あまりやる気はなさそうです。(メインの仕事は演奏家なので多忙なのかもしれません)
ミランダ氏からは先日、「また新しい楽譜を送ります」という連絡が入っていますが、これも彼も演奏家として忙しいと思うのでいつになるかはわかりません。
彼らイタリアの最初の3人に共通しているのは、「他の仕事で定収入があるので楽譜販売のロイヤリティ(印税)はあまり重視していない」という点です。
もともと自分で演奏するためにアレンジした作品だからか、「ロイヤリティは5ユーロくらいでいいよ」とか「この作品はロイヤリティいらない」とか作品によって色々です。
ただ販売レポートは毎回送っていて、それは彼らが「自分の音楽が届いたどうか」を知りたいからなんですね。
楽譜で稼ぐ気はあまりなくて、演奏されることを重視している、そこに喜びを見出している、というような感じですね。
トマゾ・ミランダ氏の楽譜はこちら。
上記の3人はちょっと特殊ですが、その後、彼らの友人なのかどうかわかりませんが、ピアニストのイッポリート・パリネロ、教育者でもあるカルロ・ピロラ(作曲名義はピカルバンド)からつづけて連絡が入りました。
彼らはサクソフォーンの3人とはまた違った作風で、独特な音の使い方をしている印象があります。
それまでイタリアの管楽器や吹奏楽作品に触れる機会がほとんどなかったのもありますが、言葉にするのが難しい不思議な魅力があります。
やはりメロディや構成よりもサウンドに特徴がありそうですね。
クラシックの有名な作曲家にもイタリアの作曲家は多いですよね。
ヴィヴァルディ、プッチーニ、ロッシーニ、パガニーニ、レスピーギ、マスカーニ、ポンキエッリ、ヴェルディ、などは吹奏楽出身の人でも知っている名前が多いかなと思います。
なんとなくイタリアの作品って「ならでは」の色彩がありますよね。
僕は黄色とか黄金とかに近い色を感じるのですが。(別に共感覚ではなくて印象です)
そういった伝統の上にあるというか、パリネロもピカルバンドも「イタリア人の血」として継承されているものがあるかもしれません。
彼らも「この作品は◯ユーロ」というような感じで、ロイヤリティは固定制を取っています。
特にパリネロは海外のお客様に人気ですね。
ピカルバンドの作品は教育者の彼が教育目的で作っているところもあるので、日本でも初級バンドに良いかなと思います。
イッポリート・パリネロの作品はこちら。
ピカルバンド / カルロ・ピロラの作品はこちら
最後に紹介するのはコジモ・ボンバルディエーリ。
今のところ、不採用にした人も含めて、怒涛のイタリアン・コネクションの中では最近になって契約をした作家さんです。
これまで挙げたイタリアの作曲家、演奏家、または挙げていない不採用になった作家さん、すべて彼らからの売り込みが最初の出会いとなっています。
ボンバルディエーリが最初に送ってきたのは「戦士の恋人」という吹奏楽作品で、まあ不思議な作品です。
ドラマティックでわかりやすそうなタイトルなんですがそんなこともないという感じで、オランダ、フランス、ベルギーあたりの最近の吹奏楽の流行とはまた違うんですよね。
これまで挙げた人達と違って彼の場合は本業が指揮者なので、またちょっとスタンスが違うのかなという印象があります。
コンクールの審査員とかもやってるそうなのですが「何か新しいものを」という意識が強い感じはありますね。
彼の場合は日本の作曲家と同じようにロイヤリティをパーセンテージで決めています。(彼の希望で)
「戦士の恋人」を最初に聴いたときは、ちょっと採用するかどうか迷いました。
ただ、日本ではウケないだろうなという気はしたのですが、全世界(国交のある国)に向けて発信するので、どこかでヒットすればいいか、と思い、賭けてみることにしました。
その後はポンキエッリの「バンドのための交響曲」を現代的な編成にアレンジした作品や、ナポリ歌曲のコーレ・ングラートの吹奏楽へのアレンジなど、「これはどうかな」「こっちはどうかな」と、彼自身も市場の反応を見ている感じがしますね。
アレンジする作品のセレクトやオリジナル作品の題材を見ても、「イタリア」にこだわりがあるというか、イタリア音楽を掘り下げていく、イタリア音楽に触れていく、というスタンスを感じ取ることが出来ます。
日本で演奏されたらボンバルディエーリさんもGHPに預けた意味があるもんだという話だと思うので、ぜひ他の作品も含めて何かしらトライしていただければ、というところですね。
コジモ・ボンバルディエーリさんの作品はこちら。
ボンバルディエーリさんはWind Band Pressでも
インタビュー記事があります。
Golden Hearts Publicationsから独自に出版している海外の作曲家はユーさん以外はイタリア人なので、ほとんどイタリアの話になってしまいましたが、「想定される響きの面白さ」みたいなところにフォーカスを当てて、ぜひ演奏してその響きを実感していただきたいなと思います。
-------
以上、メルマガのバックナンバーでした!
また次回!