こんにちは!
Golden Hearts Publicationsの梅本です。
「今日の1曲」として、週2-3回、Golden Hearts Publications作品のご紹介をしています。
参考音源を聴くだけでも良いので、少しだけお時間をください!
今日は正門研一さん作曲のサクソフォーン3重奏のための作品「RONDO CHROMATIQUE」をご紹介します。
■原題または洋題:RONDO CHROMATIQUE pour trio de saxophones
■作曲者:正門研一 (Ken'ichi Masakado)
■演奏時間:約4分30秒
■出版社:Golden Hearts Publications
■参考音源:You Tube
■編成:
Soprano Saxophone
Alto Saxophone
Tenor Saxophone
楽曲について:
「三人寄れば文殊の知恵」ということわざもあるように、この曲はまさに三人によるディスカッション、何かの結論を導き出そう、知恵を絞り出そうと、時には呼応し合い(あるいは模倣し合い)ながら、またある時は反発し合いながら議論する様をイメージしたいただけるといいでしょう。そうした様を、タイトルにあるように半音階的に処理していることもあり、やや冷たく厳しい曲調になっていると思います。とはいえ、冒頭に「Scherzando」と示している通り決して悲観的な音楽ではありません。半音階的ですが無調ではなく、ほのかに調性感が漂っています(複調的な場面も多々見られますが…)ので、演奏される皆さんなりの結論、知恵を出すことは決して困難なことではないと信じています。また、「RONDO」というタイトルですが、こちらも、核となるモティーフを起点に活発な議論が繰り広げられる様を表そうとしたもので、作品の形式を表すものではありません。さしずめ、「会議は踊る」とでもいったところでしょうか…。
「徹底的にポリフォニックな三重奏曲を」との思いで作品にとりかかったのが2006年。長い中断を挟み(やはり「三人寄れば~」というわけにはいきません...)、形になったのが2009年6月でした。初演は2011年12月3日、金沢サクソフォンアンサンブル「第23回定期演奏会」において、ソプラノ・小川卓朗(おがわ
たくろう)、アルト・伊藤千治(いとう ちはる)、テナー・大上雅史(おおうえ まさひと)の3氏により行われました。なお、初演に際し宗貞啓二氏より多くの助言をいただきましたことを特に記しておきます(この出版譜にも氏からの助言を反映させています)。
(正門研一)
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Golden Hearts Publications作品の中でも人気の一作。
半音階をベースにしていますが、暗さはなく、どこかダンサブルで対話的な曲調が印象的な作品です。
演奏会のほかアンサンブルコンテストにもオススメです。
商品ページはこちら。
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▼作曲者紹介:
正門研一 (Ken'ichi Masakado):
武蔵野音楽大学卒業(音楽学)。 1998年、第9回朝日作曲賞(吹奏楽曲)入選。 2003年4月~2005年12月、北九州市消防音楽隊楽長。 2006年1月~2017年3月、大分県警察音楽隊楽長。
2008年、国民体育大会等の式典音楽制作及び式典音楽隊指揮。
行進曲「エンブレムズ」(1999年度全日本吹奏楽コンクール課題曲)をはじめ、吹奏楽、管楽器のための作品を多く作曲。作品は国内のみならず、アメリカなどでも演奏されている。作編曲活動のほか、コンクールの審査員や研究、執筆活動も行っている。
今日は以上です!
次回の「今日の1曲」をお楽しみに!