吹奏楽、室内楽の楽譜出版社Golden Hearts Publicationsのブログ

吹奏楽、室内楽の楽譜出版社Golden Hearts Publications(ゴールデン・ハーツ・パブリケーションズ)のブログです。

海外の作家がよくて日本の作家が嫌いというわけじゃないしその逆もないという話

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こんにちは!

Golden Hearts Publicationsの梅本です。

ブログらしいブログもまた久々になってしまいました。(約1ヶ月空いた)

今日は「海外の作家がよくて日本の作家が嫌いというわけじゃないしその逆もないという話」というタイトルで書いてみます。

Golden Hearts Publicationsは始まりがディートリヒ・ヴァンアケリェンの楽譜の日本での販売代行からスタートしているので、海外寄りの出版社なのかな、っていう感じもあるかもしれません。

また邦人作品の出版も多くなく、「コンクールでよく名前を見る皆さんご存知の売れっ子作家の作品を取り揃えています」というわけでもないので、余計に海外寄りに見えるかなという気もしています。

これはもうたまたまというかなんというかコンセプトに沿っていくとそうなったというだけの話で。

基本的には国籍とか、どこの国の誰とか、売れっ子とか人気とかコンクールがどうとか、そういうのはどうでも良いんですよね。本当にどうでもいいです。作品の内容だけで判断しています。

僕は演奏する側でもあったのですが(10年くらい演奏してないですけど)、作品を演奏するんであって、作曲家を演奏するわけではないですからね。演奏する際には「演奏したい作品」を探しているのであって、「演奏したい作曲家」を探しているわけではないですから。だから誰の作品でも別に良いんですよね。

コンクールでどこかのバンドが金賞を取った作品だからって他のどのバンドでも金賞取れるわけではないですから。それは皆さんご存知の通りです。「勝てる曲」「自由曲のための曲」とかないので。ただ単にその作品をどのくらいの人が気に入るか、どんなシチュエーションで演奏するか、というだけです。

プロモーションをする側からすると、最も大事なのはコンテンツです。楽譜の場合は作品そのものですね。これは売る側にはコントロール出来ない。あくまでも作家さんに依存します。プロモーションはそれを伝えるための手段ですね。

なので出版社、出版事業者としてやっていくスタンスとしては、僕は「世界に通用する作品であること」を特に重視しています。コンテンツ重視です。なので作品のクオリティが第一。例外的に企画内容を重視する場合もあります、小國さんの独奏楽器シリーズとかの持ち込み企画なんかがそれにあたります。(これ、小國さんには申し訳ないのですが持ち込み企画なので結構ダメ出ししています)

海外に行ったら売れっ子日本人作曲家の名前なんて知られてないです。アメリカでの売れっ子作曲家の名前が日本で知られてないのと同じです。だから名前はどうでもいいというか、名前で取り扱いを決めているわけではないのです。

印刷代行作品についてはスーユーを除いては日本国内での販売権しかないので、知られていない優れた作品をどうやって聴いてもらおうかな、まずはどうやって作品を知ってもらおうかな、というプロモーションになっていきます。

出版している作品についてはそれに加えて海外向けのストアも作って世界中の誰が買っても良いようになっています。日本では注文が来ないけど海外から注文が来る日本人作曲家の作品、というのも当然あります。海外向けストアでは他社さんのいろんな作品も厳選して販売していますが、「作家名」では買わないですね。売れる作品があったとして、その人の他の作品は1冊も売れない、ということはザラです。健全ですね。

なので名前で判断して「この人の名前知らんから曲もクソだろう」とか安直に決めてほしくないんですよね。世の中には皆さん(や僕)が知らないだけで「この曲すごいな!」っていう曲が山程あるんで、そういう作品をプロモーションしているというだけです。

「邦人作曲家なら誰でもいい」というわけでもないし「外国の作曲家なら誰でもいい」というわけでもないです。そういう分け方になんの意味があるのかと思います。

Golden Hearts Publicationsから印刷代行ではなく「出版」している作家さんは日本人だけでなく、香港、イタリアの人もいます。

名前や国籍で作品の良し悪しを決めるようなやり方をしていたら香港やイタリアの彼らと出会うこともなかったでしょうね。

海外の人だから良い作品を書くわけでもないし、日本人だから良い作品を書くわけでもないんですよ。だから日本人の作家さんは今はGolden Hearts Publicationsではあまり扱ってないですけど、別に嫌いなわけでもなくて。曲とのご縁がないだけで。たまたまですね。かといって「日本人ならOK」ってわけでもないから「なんか曲ないっすか?」とかほじくって回ることもしてないですし。まあご縁があれば、という。

「コンクールで売れなくなったからもうプッシュしない」とかそういうプロモーション方針が大嫌いなので、どの作品も末永くプロモーションしていきたいなと思いますし、プロモーションして恥ずかしくない作品しか置いてません。

特に今年はコンクールもないですから、出版社さんに色眼鏡をかけられることもないでしょう。「今年の自由曲はこれ!」とかないじゃないですか。なのでこの機会に色眼鏡なしで、ぜひ色々と聴いてみてほしいですね。

Golden Hearts Publicationsはどの作品も自信ありますよ。かかってきたまえ。