吹奏楽、室内楽の楽譜出版社Golden Hearts Publicationsのブログ

吹奏楽、室内楽の楽譜出版社Golden Hearts Publications(ゴールデン・ハーツ・パブリケーションズ)のブログです。

今年はアッペルモントの「ブリュッセル・レクイエム」がヒット!で、レクイエムって何?

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今年(2019年)の吹奏楽コンクール全国大会では「ブリュッセル・レクイエム」を演奏する団体が多いですね!全国大会に限らずこの作品の人気が爆裂した年だったのではないでしょうか。

 

Golden Hearts Publicationsと同じくONSAが運営するセレクトショップのWBP Plus!でもちょこちょこと楽譜や演奏が収録されたCDのご注文を頂いています。

 

この作品に関しては「どこがレクイエムやねん」とかいう意見もあるようですが、書いた本人がレクイエムだって言ってるならレクイエムでええやんけ、と僕は思います。

 

2016年にブリュッセルで起きたテロを受けて書かれた作品で、テロの犠牲者のことだったり色々背景はあるんでしょう。それをどういう形にするかは別として本人にとってレクイエムならレクイエムでいいじゃん。

 

ところで「レクイエム」って何?っていう方もいらっしゃるかもしれないので調べてみました。音楽用語的には鎮魂歌とか日本語では訳されたりしますので鎮魂歌って言われればなんとなく「そういう意味」かってわかりそうですね。ただ「鎮魂」というのは道教の用語らしくて、レクイエムにはそういう意味はないんだそうです。だから翻訳として適切かというと微妙らしい。ラテン語で「安息を」という意味らしいです。元はキリスト教由来ですかね。

 

亡くなった方の死後の安息を願うミサで歌われたりしていたものが、転じて葬送や誰かの死を悼む、追悼するという意味の作品でも使われることがある(現代ではほとんどそうじゃないかな)という。

 

クラシックの曲ではモーツァルトヴェルディフォーレのレクイエムが三大レクイエムと呼ばれたりするそうです。

 

本来のミサでのレクイエムはかなり多くのパートに分かれていて、単に悲しいね、とか、聖なるかな、だけじゃなくて怒りや呪いなども含まれていますし、最後は楽園に至ります。エレジーではないんですよね。

 

ちなみにですね、エドワード・グレッグスンの「剣と王冠」に「Requiem aternam dona eis, Domine」という歌詞がありますね。あれはミサの一番最初の歌詞ですね。「主よ、彼らに永遠の休息を与えたまえ」というような意味ですね。

 

こんな感じでクラシック音楽にも多くの影響を与えています(キリスト教の宗教曲なので特にヨーロッパやアメリカなどのキリスト教が強い国では影響も多いかも)。

 

前置きが長くなりましたが(前置きだったのかよ)、別に「ああ悲しい、悲しいね、どうか安らかに」だけの曲じゃないよっていう話で、ミサからどの部分を使うか、ミサのどの部分に該当するような箇所をどのように作曲するかというのは作曲家それぞれの自由だったりします。モーツァルトヴェルディフォーレのレクイエムが全く同じ曲じゃないのはそういうことです。

 

で、レクイエムに基づいた曲でなくても、誰かの死を悼んだり、故人を偲んだり、そういう作品も多いですよね。

 

Golden Hearts Publicationsにも色々あるので、この機会に聴いてみて下さい。(ほとんどページ内で聴けます)

【吹奏楽 楽譜】追悼、カレル・フサ(In Memorium, Karel Husa) 作曲:ブルース・ユーコ(Bruce Yurko)

 

【マリンバ&ピアノ 楽譜】マリンバ小協奏曲 (Concertino for Marimba) 作曲:ルーメン・ボイヤジェフJr.(Rumen Boyadjieff Jr.)

 

【吹奏楽 楽譜】イン・メモリアム(In Memoriam) 作曲:ジャン=フィリップ・ヴァンブスラール(Jean-Philippe Vanbeselaere)

 

【サクソフォーン4重奏 楽譜】イン・メモリアム(In Memoriam)作曲:ジョエル・ラヴ(Joel Love)

 

【吹奏楽 楽譜】アルト・サクソフォーン協奏曲「ドリームズ・イン・ザ・ダスク」 ( Dreams In The Dusk - Full Concerto For Alto Saxophone And Wind Ensemble ) 作曲:デヴィッド・ビーデンベンダー(David Biedenbender)