2021年3月21日に初演されたばかりの會田瑞樹氏の新作ヴィブラフォン独奏楽譜「踊れ、赤い靴」を販売開始しました!
聴いて楽譜を見た感じは難しそうな印象ですが、バチも二本で演奏できますし、エチュード的な要素が詰まっていますので、ぜひ多くの方にトライして欲しいと思います。
【ヴィブラフォン 楽譜】踊れ、赤い靴 作曲:會田瑞樹 - 吹奏楽楽譜・アンサンブル楽譜の出版・販売|Golden Hearts Publications
作品情報は以下の通り。初演の演奏は商品ページで聴くことが出来ます。
■楽曲について
2021年3月21日 札幌市豊平館
佐藤晴睦ヴィブラフォン・ソロ・リサイタル
ヴィブラフォン独奏:佐藤晴睦
作品について
2017年の暮れ、北海道教育大学の渡部謙一先生からレッスンをしてほしい生徒がいると連絡をいただいた。半信半疑だった僕の元に、翌年、佐藤晴睦さんは東京までやってきた。
「僕のレッスンはきっかけにすぎない、東京まで来ているのだから、僕をダシにして、美術館や演奏会、人にたくさん会って、見聞を深めてほしい。」確か最初にそれを伝えたと思う。その言葉通りに、彼は東京で様々な人と出会い、時にはイタリアまで赴き、見聞を深めていった。僕よりもずっとたくましく成長した。
そんな佐藤さんのヴィブラフォン・ソロ・リサイタル開催の報を聞きつけ、そのお祝い、さらに僕自身のヴィブラフォン演奏を通しての経験を作品として昇華したいと思い書き進めた。
この作品におけるテーマは次の7つ。
・ 本居長世作曲の《赤い靴》。
・ アンデルセンの童話《赤い靴》。
・ A.ヴィヴァルディ作曲の《La Folia op.1》。
・ 中村高寛著『ヨコハマメリー 白塗りの老娼はどこへいったのか』(河出書房新書刊)。
・ 二本バチの可能性。
・ ヴィブラフォンという楽器の限りない魅力。
・ 佐藤晴睦さんの赤い靴が踊り出すこと。
この作曲もまたきっかけにすぎない。佐藤晴睦さんはきっと、僕の想像をはるかに超えた演奏を手掛けてくれることを確信している。
この作品を、佐藤晴睦さんに献呈いたします。
(會田瑞樹)
初演時のプログラムノート
佐藤晴睦さんのリサイタルのために作曲。常々、本居長世の童謡《あかいくつ》の儚さに心惹かれていた。そこにヴィヴァルディの《ラ・フォリア》が遭遇。横浜に生きた「ハマのメリーさん」の道行がそこに重なり、アンデルセンの赤い靴の物語のように永遠に踊り続ける旋律の回転を描く。
本日は佐藤晴睦さんの門出の日である。その命尽きるまで、永遠に奏で続ける音楽家として活躍してほしいという願いを込めて。(2021.3.21)
演奏上の注意
・ テンポは奏者の任意であるが、おおよその目安は以下の通りである。作品は「ラ・フォリア形式」によって紡がれているため次第に焦燥感を持って駆け抜けて行くことが望ましい。
1. Adagio(四分音符=70 前後)
2. Andante(四分音符=80 前後)
3. Allegro(四分音符=100 以上)
4,5,6,7,6,8 以降アレグロをキープし、自由にアチェランドをかけることも推奨される。
9.Adagio(四分音符=70 前後)
10.Vivace(四分音符=100 以下、ここではベンド奏法による音程の変化を聞かせることに重きを置く。)
11.Allegro(四分音符=120 以上)
12.Larghetto(四分音符=40~50、曲中最も遅く)
13,14 Allegro(付点四分音符=100 以上)
15.Adagio(八分音符=100 前後)
16.Allegro(即興的なテンポの変化を推奨する。伸縮も自由。)
17,18,19,20 as fast as possible(可能な限り早く。)
Coda しみじみと。長調の響きを感じるように。
・157,158,159 小節について
156小節のすべての音をペダルで伸ばしたまま、157,158,159 小節に記載されている音は弾かずに、音を止める。160 小節目で響きの変化をしみじみ楽しんだのち、161
小節目に入る。
・ソロコンテストなど、規定時間のあるものなどは自由にパーツを組み合わせることも許容される。
(2021.3.23 會田瑞樹)
【ヴィブラフォン 楽譜】踊れ、赤い靴 作曲:會田瑞樹 - 吹奏楽楽譜・アンサンブル楽譜の出版・販売|Golden Hearts Publications