こんにちは!
Golden Hearts Publicationsの梅本です。
今日は「なんで流行りの曲のアレンジを出さないんですか?という話」。
「なんでシリーズ」番外編です。
ポップスにしてもクラシックにしても流行りの曲を色んな編成にアレンジして出版する、というのはポップス専門の出版社以外でも行われることが増えてきたように思いますが(特にポップス)・・・Golden Hearts Publicationsからは出さないの?なんで?っていう話。
■今のところは出す予定なし
いきなり結論ですが「今のところは出す予定なし」です。
ということで理由や思うところを書いていきましょう。
■事業理念にない
まずこれです。Golden Hearts Publicationsの事業理念(やりたいこと)の中に「流行りの曲をいち早く出す」みたいなのがないです。
それはそれでお役に立つのでしょうけど、なぜないかというと、別にやりたいと思わないからですね。すでに吹奏楽ではたくさんそういう出版社がありますし、アンサンブルやソロにアレンジする出版社もあるので、ONSAとしてやる意義が見いだせない、というところです。他の出版社が出来るなら任せておけばイイジャンっていう考え方。
すべてを自分のところでホールドしようと思うととにかく経費がかさむのと、流行アレンジを収益の柱にしてしまうと追いかけ続けないといけないじゃないですか。そのうち演奏者がどうこうというよりも追いかけることが目的になってしまいそうなので僕はやらないようにしています。
■ポップスやクラシックアレンジを出さないわけじゃない
ただ、ポップスやクラシックアレンジを出さないわけではなくて、実際に「タキオのソーラン節(編曲:木原塁)」というポップスアレンジもあるし、「Starry Night Express(作曲:金山徹)」というオリジナルポップスも出しています。
【吹奏楽 楽譜】Starry Night Express 作曲:金山徹 - 吹奏楽楽譜・アンサンブル楽譜の出版・販売|Golden Hearts Publications
ただ、いわゆるポップス系出版社の相場とはだいぶ離れた金額です。ポップスだから安くていい、薄利多売でナンボやで、という理屈はよくわからないので他の吹奏楽オリジナルやクラシックアレンジと同じ計算式でやっています。(他の出版社に比べればおそらく薄利なんですけどね)
クラシックアレンジはGolden Hearts Publicationsでも増えてきましたが流行などは全く意識していなくて、ソロ譜をたくさん出している小國さんとはどちらかというと「もっと知られていない作家さんやりましょうよ」なんて話をしています。
実際小國さんのアレンジの中ではバザンの「ロマンス」が一番売れているのですが、「誰が書いたか(有名かどうか)」より「何を書いたか(どんな作品か)」で勝負する、というスタンスでチャンレンジを続けています。
ポップスでいうと、いま流行っていなくても過去に優れたポップス(ロックでもなんでもいいんですけど)は山ほどありますよね。アニソンも同じです。そういう作品のアレンジは出したいなとは思っています。
自分が、「吹奏楽(または室内楽)にしたらかっこいいだろうな」と思う曲を、「このアレンジャーなら愛とリスペクトを持ってアレンジしてくれるだろうな」という人に委嘱したいと思っていますし、そういう曲はたくさんあります。普段はロック・ポップスを聴いているのでそれはもう山です。
ただ、今は委嘱(+浄書依頼)するのに十分なお金がないのと、ラインナップがほぼ趣味の世界になりそうなのでヒットの可能性が未知数すぎて、結構お金に余裕がないと展開出来ないかなと考えています。
なのでポップスについては、流行りが終わった後にそれでも残っているような曲とか、自分の中でなんとなく吹奏楽版がイメージできそうな曲とか、そういう曲であれば、いずれは編曲許諾を取って委嘱する可能性はあります。
今はまだお金に無理して強引に進める理由はないですね。
クラシック曲のアレンジについては上述の通り小國さんと企画を進めているものが結構あるので、どんな編成になるかはわかりませんが、そのうち「なんだこの曲」っていうのが出てくるかも知れません。
管弦楽ファンにはおなじみでも吹奏楽ファンには知られていない、という曲は山程ありそうですので、まずはこちらかな、というところ。
そのうち凄いポップス出したいですね。
それではまた!