吹奏楽、室内楽の楽譜出版社Golden Hearts Publicationsのブログ

吹奏楽、室内楽の楽譜出版社Golden Hearts Publications(ゴールデン・ハーツ・パブリケーションズ)のブログです。

なんでDX版がそんなに高いのか、安価版はショボいのか?という話

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こんにちは!

Golden Hearts Publicationsの梅本です。

今日も「なんで」シリーズです。(過去のなんでシリーズはブログの最近のバックナンバーを見て下さい)

Golden Hearts Publicationsの吹奏楽のスコアは「DX版」と「安価版」がありますが、値段がぜんぜん違います。料亭と学食くらい違います。

これはなんでか、というお話です。


■DX版が高い理由

理由は色々あるのですが(過去の「なんでシリーズ」も参照)、単純に印刷会社がやってくれる限界まで下げた製造原価がそもそも高い。

用紙はビオトープで、サイズはA3またはB4で、受注生産で1冊から作ってくれて、なおかつコイル製本。このすべてに対応できる会社がまず少ないらしいです。

僕も100社くらい当たったのですが結局広島にそれが出来る会社がありました。しかも比較的近い場所にある印刷所だから送料がかからない。東京にも対応できる印刷会社が1件あったのですが、送料を考えると広島の会社の方が(これでも)安かったんですね。

同じものを例えば100部とかまとめて作れば1冊あたりの価格を下げてくれるとは言ってくれているのですが、いかんせん今は在庫資金がないので、これ以上は下げるのが難しいのです。

ちなみに在庫限りですがビオトープの小さなサンプルを0円で販売しています。送料別なので、他の商品と一緒に買うといいと思います。

吹奏楽フルスコア用紙「ビオトープ」サンプル


■安価版は別にショボくない

安価版は別の印刷所でやるのですが、用紙が色上質紙になっているのと、表紙のフチに余白が少し出来てしまうということ、あとはリングが違うということ以外は特に変わったところはありません。

最初はこの印刷所も「ビオトープは取り扱いがない」「コイル製本は無理」だったのですが、何度か相談しているうちに「色上質紙なら対応できる」「コイル製本は出来ないけれどルーズリングなら対応できる」となって、見積もりを取ってみたところかなり安く作れたので、「安価版」としてご用意しています。

DX版のビオトープという紙がメチャメチャ良い紙なので、それに比べれば紙質は劣りますが、それでも色上質紙で、厚めの紙を使っていますから、ペラペラというわけではないです。しっかりめくれます。

安価版はもともと考えていた案ではなくて、ビオトープを使う方の印刷所が高いので、どうしても吹奏楽のスコアもパート譜とのセットもどちらもかなり高額になってしまい、学校などの予算では買えないかなあ、と思ってなんとかしようと思ったら出来た、という感じです。

制作原価が安いのでDX版よりだいぶ安く提供出来ますが、上述のようにクオリティは保ったうえで、ということになります。

本音としてはDX版使って欲しいですけど、ご予算がありますからね・・・。


つらつらと書いてきましたが、まとめると

・印刷所が違う
・素材が違う
・制作できる条件が違う

ということです。

安価版を作ってくれる印刷所がビオトープとコイル製本に対応すれば解決する問題なのですが、個人商店でもないのでなかなか担当さんベースでそれを導入するわけにもいかず(DX版の仕様で印刷製本を行うことはまずないそうです)。

DX版の印刷所さんにも「少しでも原価を抑えるために」といって大量にビオトープを先にご購入頂いちゃってますし、スコア単品はコアなアイテムになりますが、スコア+パート譜を買う際はDX版で買っていただけるといろいろと助かります・・・


Golden Hearts Publicationsのなんでシリーズは一応今日で終わりの予定。

来週はまた違うお話をしようかと思います。なんでシリーズ番外編的な感じになるかもしれません。

それではまた!