吹奏楽、室内楽の楽譜出版社Golden Hearts Publicationsのブログ

吹奏楽、室内楽の楽譜出版社Golden Hearts Publications(ゴールデン・ハーツ・パブリケーションズ)のブログです。

Golden Hearts Publicationsこぼれ話~高くなっても大判スコアにする理由

 

こんにちは!Golden Hearts Publicationsの梅本です。

7/11から、あらためて僕がGolden Hearts Publicationsをやりながら気づいたことやGolden Hearts Publicationsにかける想いなど、色々とお話しを始めています。

おしとやかにぶちまけていきたいと思いますのでしっぽりとお読みいただければ幸いです。

今日のテーマは「高くなっても大判スコアにする理由」としました。


これまでも何度か触れてきましたが、Golden Hearts Publicationsの最初の契約作曲家であり、Golden Hearts Publicationsを始めるきっかけとなった作曲家はベルギーのディートリヒ・ヴァンアケリェンです。

 https://www.goldenheartspublications.com/?mode=grp&gid=1631140&sort=n


日本国内での印刷代行をするにあたり彼が自信で販売している楽譜の仕様を確認しました。再現性を高めるためですね。

彼の仕様はフルスコアについてはA3サイズ、用紙はビオトープを使っているとのことでした。パート譜についてはちょっと忘れましたが、確かコピーされたものと区別出来るように色のついた紙を使うとかそんな感じだったと思います。

特にスコアについてディスカッションをしたわけですが、「吹奏楽は段数が多くなるからA4だと読めないよね」「紙が照明に反射すると指揮者はやりづらいよね」など、色々「確かになあ」と思うところがありました。彼は顧客である指揮者の目線でスコアを作っていたわけですね。そこに作る側の理屈なんてないわけです。

これに共感するところが多かったので、まず最初は彼の仕様をGolden Hearts Publicationsの基準としました。

ただ日本全国探しましたが、A3サイズをリング製本でビオトープを使って1部から受注生産、というのに対応出来る会社でなおかつ品質も良くビジネスパートナーとしてまともに話が出来る会社は皆無に等しく、なんとかなんないかなあと探し回ってようやく見つけたのが今の印刷会社です。散々日本全国問い合わせておいてまさかの広島でしたけど。現在は印刷会社はすべて広島で、大判ビオトープ、A4以下の商品、にわけて3社使い分けています。

実際に見てみるとわかるんですが、吹奏楽で小編成でないものは、やはりA4だと見づらいですよね。見づらくないですか。どちらかというと見づらいですよね。見やすくはない。

なのでA3、あと海外にはないそうですがB4、この2つのサイズをスコアサイズの基本としています。

これが、まずビオトープが高いのと、A4よりサイズが大きくなると印刷費が高くなるので、結果的にスコア分の制作原価が高くなります。

それでもおそらく輸入するよりは安くて早く提供できるかなというところなのですが、ビオトープを使っていない、大判でも自社のレーザープリンターで印刷できる、そういう会社さんの商品に比べると高いですので、最近になって各作家さんの了承を得て、安価版をご用意しました。

安価版はスコアサイズは変わりませんがビオトープを使わずに色上質紙を使います。照明の反射の部分で本意ではない形ですが、日本のバンド、特に学校の部活動は予算が決まっているところの方が多いかと思いますし、予算を超えた額の楽譜を買うのは難しいだろうということで、主に予算で苦しんでいるバンド向けにご用意しています。なので予算に余裕があればビオトープ(安価版に対してDX版という名称にしていますが)をご購入頂いた方が、後々指揮者の方にとってはよろしいかと思いますね。

僕もしょっちゅう腰を痛めたりしてたので整体に行ってたんですが、僕の場合は一日中パソコン使っているので、目の疲れから首やら腰やらに疲れがきてるって言われましたね。そこでブルーライトカットのフィルムを画面に貼ったら、だいぶ首や腰は疲れにくくなりました。かれこれもう1年くらい整体行ってないですね。

何の根拠もないんですが(ないのか)、もし指揮者の方(指揮をする機会が多い方)で首から下がどこか痛いとか疲れてるとかいう場合は、目の疲れが原因の場合もあるので、PCにはブルーライトカットフィルムを貼り、スマホは必要以上に見ない、そしてスコアは大きいサイズのビオトープ用紙を使う、と(笑)

他所には他所の事情やお考えがあるので決してA4サイズのスコアに対して「悪だ!撲滅しろ!」とは思いませんが、「読めないので拡大コピーして使っている」とかそういう現場の声を聞くと、やはり吹奏楽のスコアは小編成でない限り(段数が少なくない限り)は、大きいスコアも選択肢に入れてあげるといいんじゃないかなと思う昨今です。なおかつビオトープが広まれば面白いなと思いますが、そこまでの需要が指揮者側になければGolden Hearts Publicationsが安価版で出しているような色上質紙で良いのかもしれません。(普通紙とか普通の上質紙は色が明るすぎるのでやっぱり目に痛いですよね)

販売譜で大量ロットで生産して、なおかつパート譜を基準にサイズを考えて、小売店に並べることを考えるとA4になるんでしょうけど、今どきの出版社って小売店だけじゃなくて自社ショップ持ってますよね?だったら自社ショップでA3とかB4のスコア販売してもいいんじゃないかなとは思います。特に年とるとキツイんですよねA4スコア。


そんな感じでGolden Hearts Publicationsの吹奏楽のフルスコアは作曲家からの指定がない限りはA3/B4選択制なんですが、高すぎて勉強用とか選曲用には向かないので、A4またはB5に縮小した、指揮用ではないサイズのものを「ポケットスコア」として安価でご用意したりしています。まあ、やっぱり指揮をするにはちょっと無理があるサイズなのであくまでも勉強・選曲用っていう用途におのずと限られてきますね。

A4スコアが見づらいから拡大コピーするってのは違法コピーにもつながるところなので(ちゃんと複製の手続きをしていれば違法ではないですがどえらい高いらしいです)、業界全体的にスコアサイズの見直しや選択肢の増加の動きが起これば、演奏する側も快適になるんじゃないかなあと思う次第です。


今日はこの辺で。

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